2002年の春に初めて一引印の防具を一セット購入しました。購入の動機及び目的は、 ただ一つ。
実践。試合のための機能性一辺倒の防具が欲しかったからです。
具体的に言えば、軽くて動きやすい防具ということです。実は以前からずっと探していました。
というのも、最近は年齢的なこともあり、重い防具は試合で負担だと考えていたからです。また、私は、
汗をたくさん掻くため試合数が重なると動きにくくなる。分厚い防具は保護という面は優れていても汗を
吸い過ぎるんですね。そんなことも負担でした。
そんな要望を抱えて平野武道具を訪ねたのが今年の初頭です。平野さんの説明を聞いて防具を見せて
いただいて、私の要望をほとんどクリアしているのに、正直驚きをかくせませんでした。
いままでそういった哲学に基づいた防具に出会ったことがなかったからです。
しかし、聞けば現役で活躍する一流選手も愛用しているとのこと。
私はそういった選手ほどのレベルではないにしろ、「軽くて、動きやすい防具」を求めるのは、競技者として
は、当たり前のこと。その点では、剣道の防具の世界は多少固定観念に呪縛されているのかもしれません。
早速その場で、一式オーダーしました。出来上がったのは東京都の国体予選の数日前でした。とにかく、
その軽さには改めて驚かされました。正確に軽量したわけではないので判りませんがおそらく40%くらいは、
軽くなっているでしょう。
しかしそれ以上に感心したのは、はじめてつけたのに、何度も使った防具のようにすぐ馴染んだことです。
可動部の細部にまで、機能的なノウハウが盛り込まれているはずです。
国体予選ではこの防具ので望みおかげさまで東京代表選手候補に選ばれました。
現在選考会の真っ最中です。(2002年6月)防具に関しては今のところ何の不満もありません。
「軽くなったので、防具を担いでで出稽古に出やすくなっただろう」自分にそう言い聞かせて、一層の精進に
励もうと考えています。
渋谷区剣道連盟 金王道場所属 中村 孝則様
ファッションコラムニスト 大日本茶道学会茶道教授 2002年6月
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